こむぎ

ミツバチと私のこむぎのネタバレレビュー・内容・結末

ミツバチと私(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

予告の時とのイメージが大きく異なったので、編集や切り取り方によって印象が大きく変わることを改めて痛感した。
予告の際は、お母さんが主人公のことをずっと認めてないと思っていたけれど、むしろ認めない父に代わって本人を尊重しているようにさえ見えた。
それでも、男でも女でもない、性別を決めつけないでほしい、「女の子なんだ」と説得されるところに少し違和感を感じた。
祖母、叔母さんの区別が正直しっかり付いてなかったからかもしれない。

また、お母さんが教員採用のための資料に父の作品を送ったにも関わらず、採用された連絡の際も嬉しそうでなく、最後は辞退するところに、優しさや後悔、揺らぎを感じた。
お父さんが製作のために女性の裸の写真をたくさん持っていたこと、そのことを苦しく思っていたのも影響しているのかな。

私が好きなシーンは、最初は主人公と喧嘩していたお兄ちゃんが、最初に本人が呼んで欲しい名で呼んであげてたこと。喧嘩をしても本人を大切に思っている姿に泣いてしまった。その後、周りは一生懸命、男の子の名を呼んでいる中、お母さんも本人が呼んで欲しい名を呼んで探しているところも胸を打たれた。
仲良くなった女の子に、自分が男の子だと言った時にも、女の子が自分のクラスにもいるよとなんでもないように言ったこと、本人にとってはきっと大きな救いだったろうと思う。少し前の更衣室で女の子に「なんで女子更衣室にいるの?」と言われたこともあったし。
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