ツクヨミ

ミツバチと私のツクヨミのレビュー・感想・評価

ミツバチと私(2023年製作の映画)
2.5
性自認に葛藤するというか答えを探す子どもが過ごす夏休み、果たして答えは出たのか。
予告編やポスターにてついにドキュメンタリー"リトルガール"みたいな劇映画が出たかと気になって見に行ってみた。
まず本作は2020年のドキュメンタリー"リトルガール"よろしく体は男だが心は女な子どもの物語になっている、だがまだ女の子とは確定していないようかグラグラした心情が見えるようでまさに"リトルガール"始まりの物語にも見えてくるんじゃなかろうか。そんな不安定な心理を抱えた子どもと取り巻く家族や地域の人々が織りなすドラマが本作の結びとも言える。
しかしわりかし主人公であるココと名付けられた子どもに寄り添ってばかりではない語り口、彼または彼女を取り巻く家族の葛藤も"リトルガール""パーフェクトノーマルファミリー"よろしく描かれていく。子どもを信じてあげたいがなかなか仕事面などでうまくいかない母親のパートが多く家族問題を浮き彫りにしていく様は多様な視点を見せてもくれていた。
しかしなんとまあ難しい問題か、幼い子どもが自らの性がわからないと悩む姿はかなり複雑だ。年端もいかない子どもにのしかかる社会の常識的な性別感と自らの性自認との葛藤、答えは一生でないんじゃないかと感じるほど。題材が題材なためいろいろ考えさせられたが流石にもやもやが残る作品に感じてしまう。
あと雰囲気というかプロットは最近記憶に新しい"コットはじまりの夏"に酷似、だが抱える問題は明らかにこちらのほうが重い、リアリズムで描き切ったのは意外に評価できるかも。
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