みゅうみゅう

ミツバチと私のみゅうみゅうのネタバレレビュー・内容・結末

ミツバチと私(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

8歳の少年アイトール、既に明確な性自認に葛藤を抱えている。夏のバカンスで、家族と共に養蜂場を営む叔母が住むスペインのバスク地方を訪れる。
叔母がいい。悩む本人と戸惑う家族(母親自身もキャリア復帰の道半ば)とのいい距離感でアドバイスする。
蜂は、自分らしく生きることを示すメタファー。バスク地方の長閑な自然、夏休みにおばあちゃんちでゆっくりした時間が流れるヤツね。自身のアイデンティティに向き合うとき、閉塞した街の喧騒よりも季節とか空気とか時間とか光とか形に表せないような大きな自然に身を置くと解放されるのだろう。

トランスジェンダー題材の映画でいうと、『GIRL』とか『リリーのすべて』『ミッドナイトスワン』とか私が観たのは色々あるけど、『怪物』が主人公の年齢が近い作品になるなのかな。思春期前期の既にこのくらいの年齢から混乱の中にあるんだなぁ。近い家族がどれだけ本人の葛藤を理解し受容し対応していけるか。(性自認だけでなく発達障害もそうだね〜)固定概念とか観念とか厄介なものが邪魔するんだな、多様性とか言いながら。生まれ持った個性は、できるだけ他とは違わないように整えようとしてしまう。“本人が生きやすいように〜”という視点は、立場が違えば方向がまるで正反対となる。

切ない

失うかも知れない〜、そんなギリギリな場面が訪れてようやく、本人の葛藤の大きさに気づく。いや、ほんと、GIRLのようなラストは絶対避けて〜と思いながらラストへ。

良かった、エンドロールのキャストのクレジットが【アイトール】(男の子の名前)ではなく、【ルシア】(呼んでほしいと願った女の子の名前)になってた。

あとね
バスク地方、チーズケーキだけじゃないw
みゅうみゅう

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