ダイゴロウ

宮本武蔵 般若坂の決斗のダイゴロウのレビュー・感想・評価

宮本武蔵 般若坂の決斗(1962年製作の映画)
3.7
内田吐夢監督シリーズ第二作。(全五作)

「剣は念仏ではない!命だ!」
一作目終盤の修行により、精神的に大人になった宮本武蔵の武を追求するような旅が描かれる。

本作の見所はなんといっても、般若坂での牢人衆との死闘の場面であろう。

かの槍使いとして有名な宝蔵院胤舜とは、結局刃を交えずに終わる肩透かし感と虚しさ。
(私がかつて読んだ書物では、確かに胤舜とも戦ったはずであったが…。)
多くの牢人衆の殺戮を「奈良の大掃除」と表する坊主共の残酷さ。
殺しておいて、南無と書かれた石を供養として置いていく矛盾。
最後の武蔵の熱烈な怒りの台詞が何よりも印象的な作品であった。
「殺しておいて合掌念仏。嘘だ!違う、違う、違う!剣は念仏ではない!命だ!」