自民党に企業献金をしている業界は減税額が大きい、小選挙区制は投票数が議席数に直結しないなどのデータに基づく解説、現役官僚へのインタビューでは正論を言えなくなった職場の現状など、安倍政権下で劣化した日本の政治や社会が描かれていた。
最後に監督の娘(現在は20歳くらい)の写真を映してこの世代の未来を憂いているが、ネットの発信が上手い自民党を応援している若者たちは、自分たちが戦場に送られたり、貧しい生活を強いられればおかしな社会であることに気付くのだろうか。それとも他人を蹴落としてでも自分だけが幸せになるために自民党を応援し続けるのだろうか。
菅義偉を記録した「パンケーキを毒見する」に続く映画であり、後世の人が観て「あの時の政治家や国民が今の状況を生み出したんだ」と振り返れる作品であるが、有能な河村光庸プロデューサーが亡くなった今、次の作品は現れるのだろうか。
