Fuku

妖怪の孫のFukuのネタバレレビュー・内容・結末

妖怪の孫(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

撮影中、プロデューサーである河合光庸氏が亡くなり古賀茂明氏にとって変わったり、安倍晋三氏が亡くなったり、スポンサーが撤退したり、インタビュー後の映像使用を拒否されたり、散々な目にあった作品である。

そんな試練を超えてやっと出た本作に、まとまりがない印象を受けた。
安倍晋三のバイオグラフィー、世間を騒がせた問題、選挙の強さ、コンプレックスから来る欲望、政治的センスについてサラッと流すのだが、いかんせん繋がりがうっすらとしか見えてこない。トラブルづくめだったことがそうさせたのだろうが、個人的にはもっと掘り下げて1つの強烈な安倍晋三像を出して欲しかった。

安倍晋三像とはどういったものか簡潔に述べ、最後に編集スタッフが未来への不安を吐露することで、万人に内在する政治へのジャーナリズム的精神が思い出された。

映像的な観点から見たら評価は高くないが、有耶無耶に感じられる安倍晋三の軌跡を知りたいという好奇心をくすぶられたと誰もが思うのではないだろうか。
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