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カリスマ~国葬・拳銃・宗教~のでのレビュー・感想・評価

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寺山修司の「書を捨てよ町へでよう」からの引用で、地理へ期待し過ぎた。こことここではないどこかの対立に深い意味があると思ったら、それは幻想で、ここではないどこかは存在しないというこの感覚が、上京して、1年半後に感じた、「東京もなんもねぇかも」という感覚だったことがやっと分かった。監督の意図通り、アイデンティティクライシスに陥りやした。

「逸脱した個人が拳銃を握るのか、それとも拳銃を握ることで個人は逸脱するのか」

エキストラは、主役を引き立てるために、決められた役を演じることが役割だけど、あるエキストラのインタビューで、決められたことから逸脱して、自分で考えて動いて演技したことが上手くいって、監督に褒められた時、やりがいを感じると答えたけど、逸脱=脇役→主役、この変化の過程から気付くことがあった。

あと、ここではないどこかを追い求め、本当の自分を回復させようとするんだけど、失敗して押し出されるというモチーフが、大和屋竺監督の美学で、しかも、それは、国際的に表現者たちが反復している(ex.パク・チャヌク『別れる決心』,ロウ・イエ『シャドウプレイ』)モチーフに通ずるというのが驚きだった。

寺山修司、大和屋竺、若松孝二の作品を深掘りします!!
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