フライ

顔のない天使のフライのレビュー・感想・評価

顔のない天使(1993年製作の映画)
4.1
人生に於いて素晴らしい人との出会いが如何に大切かを教えてくれるストーリーだが、序盤から最後までイラつかせる内容は、全てラスト一瞬の感動の為の布石。

13歳の少年チャールズは母親とそれぞれ父親の違う姉、妹の4人で暮らしているが、反りの合わない家族と離れたい事や、軍人だった亡き父親の影響も有り母親の反対する士官学校入学を希望し、試験に望むも不合格に。そんな時メル・ギブソンが演じる顔の右半分をケロイドにより変形した元教師のマクラウドと出会った事で大きく変わって行くのだが。
チャールズとマクラウドが負った心の傷と二人の交流、周りの人間の差別と偏見による障害とチャールズの心の変化は見所。

マクラウド以外、少年チャールズ含め差別と偏見、身勝手極まりない人物達だらけなので、観ていてイライラして心が折れそうになり途中で見たく無くなるが、それ故に色々な物が見えて来るヒューマンストーリー。
多くの物を目から情報として得て判断しているが、そのせいで大切なものを見逃している事を教えてくれるし、偏見に満ちた言葉程、多くの人が流される怖さを感じさせてくれた。
世の中嫌なニュースばかりで偏見に囚われがちだが、真実を見抜く目が如何に大切かを教えてくれる素敵な作品。
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