あかり

ソウルメイトのあかりのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルメイト(2023年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

ダミちゃん目当てで行ったが、期待以上に素晴らしかった!

ひとえに友情だけとは言えない、愛憎混じりつつも離れられない、お互いがお互いの1番を譲らない関係性。彼氏(婚約者)も親も押してくれなかった背中を押し、理解してくれる存在。
さらにドロドロしているが、山田詠美の「蝶々の纏足」を思い出した。

公式サイトのコメントを読んでいると、この2人を友情・親友と括る人と、名前なんてつけられない関係とする人と二分している。
私の場合はこれは友なんていう関係には収まらない、名前をつけようのない、2人だけの関係であると感じた。こんな愛憎混じり合いお互いしかいないような関係が友達という単語で収まってたまるか、と思う。しかしそれはもしかしたら2時間という短時間に詰め込まれた2人の物語を観たからかもしれない。

実際の2人は16年の時をかけて近づいたり離れたりする。きちんと覚えていないが、日記の年号を思い出すに、
・1998年に出会い
・2005あたりに高校卒業で離れ離れ
・間に釜山旅行での喧嘩
・2012年にジヌの家でさらに決裂
・2014に妊娠したハウン(27)とまた再開する
このような時系列だったはずだ。これだけ時間もたっていてあっていない時間が長ければ、お互い記憶が美化され、嫌な記憶もマイルドになっているのではないか。大人になったミソからしても、2人の様々な思い出はだいぶ丸くなって記憶におさまっているだろう。
これを友達の物語と見る人たちは、昔の悲喜交々を経た後穏やかな友人関係へと変化した経験を持つのかもしれない。特に作中の2人より年上の鑑賞者は、このゴタゴタもいつか綺麗な思い出に昇華されることを感覚的に知っていて、それは意外と一般的なのかもしれない

とはいえこれほど特別な関係を1単語に収めたくはないし、治める必要もないとも思うのだが。自分にはこれほどソウルメイトと呼べる相手がいないから特別視しているのもあるのだろうか。

上記の二分に関係あるかもしれないが、自身の友達を思い出す人と、自身の孤独を感じる人とどちらもいた。
この映画を観ながら皆んな誰を思い出すのだろう。それはどんな関係の人なのだろう。

あと、チェジュ島は日本で行ったらどのあたりの地理になるんだろう。勝手に長崎の島辺りを想像してたけど、都心からの距離感で言えばもうちょい上の方かな?島の閉鎖感がどのくらいなのか、島から出ることのハードルが地理感覚でつかめなかった

ハウン役のソニさん、32歳と知ってびっくり。女子高生にしか見えなかった
あかり

あかり