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ソウルメイトのganaiのレビュー・感想・評価

ソウルメイト(2023年製作の映画)
4.5
ネグレクトな母と共に各地で転々と暮らし自由に生きるしかなかったミソ(キム・ダミ)と、彼女に居場所を提供しながらもミソの自由な生き方に憧れた親友ハウン(チョン・ソニ)の二人の女性のバディムービー。

劇場で観終わってすぐに未見だった中国のオリジナル版も観たけどどちらも素晴らしかった。

ネット小説から絵に、本作の脚色もオリジナルの良さを損なわずよく出来ていたけど何といってもキム・ダミの強烈な演技に圧倒された。あまり好みな顔立ちでは無いのだけどこの人にはなぜか惹かれる。

一方のチョン・ソミはハウンの儚さが良かった。彼女の「あり得たかもしれない人生」に泣かされたがここは基本的にオリジナル版の脚本と同じ。

独創的で良かったなと思ったのは写真と絵の使い方。特に写真は映画の中で一瞬で過ぎ去ってしまう二人のヒロインの表情を切り取り、その意味が後のシーンで明かされて泣けるのだ。

窓越しや上下の隔たりで人物の距離感を表現するシーンも度々あって効果的だった。

泣かせ所がいくつもある実に卑怯なお話だ。

追記
オリジナルと比較した本作の特徴としてバイク、ピアス、猫(お母さん)、があったのを忘れていた。あと、ハウンの両親とりわけ母親が終盤でミソに向ける分け隔て無い愛情描写も印象的だった。ハウンがいなくなった後もミソと小ハウンには頼れる味方がいるという安心感がより強調されている。
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