がちゅん

ソウルメイトのがちゅんのレビュー・感想・評価

ソウルメイト(2023年製作の映画)
4.3
ここが良かったとか、ここが泣けたとかをシーンごとに挙げていったら自分でも追い切れないほど出てくるのがもう幸せ。こういう人の根源的な美しさを伝えてくれる映画は滅多にないから、劇場で見れてよかった。本当によかった。

愛とは、誰かのことを想うとは。インターネットの普及で、より多くの人と知り合える時代となった現代において少しずつ希薄になってきている、一人ひとりとじっくり向き合うということの大切さと美しさを再認識させてくれた映画だった。

幼少期をずっと一緒に過ごしていたミソとハウンだけど、成長するにつれてお互いの生活圏は徐々にお互いの知り得ないところにまで広がる。それぞれ自分ではわかることができない世界で生きる相手を想像して、時には実際に知ろうとすることが、相手を想うことの本質の一部のように思えた。これが二人のようなソウルメイトと呼べる関係に繋がるような気がする。あの人今どうしてるかなと考えることが生きる糧になったり、だけどやっぱり会えないと悲しくなったりすることは私の身にも覚えがある。だからこそ何度か描かれるミソとハウンが再会する場面の二人の表情に含まれた、会えない時間の間に抱いた喜怒哀楽さまざまな感情が滝のように流れてきて、とても悲しくなった。この映画を見て誰かを思い出せることは、かなり幸せなんだなと、しみじみと思う、、。