ツクヨミ

ソウルメイトのツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルメイト(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人生は甘くもほろ苦い、付いたり離れたりを繰り返した親友との二十数年。
ポスターや予告編にてけっこう良さそうな韓国映画最新作だなーと思ってた本作を見に行ってみた。
まず本作はとある女友達二人の二十数年間を追った物語になっており、オープニングで"燃ゆる女の肖像"みたいな絵画から記憶が紐解かれるが如くエモい感情がスパークする描き方に魅せられる。なのでどちらかといえば大人になった主人公が記録から記憶を回想する形式の緩やかクロスカッティング映画と解釈して構わないだろう。
まあ最初のほうはまだ幼い小学生時代、とある小学校に転校してくる主人公とたまたま隣机になりあっという間に仲良くなる流れがかなり素早いがめちゃくちゃ快活に進んでいく青春映画な前半。絵に描いたような"親友"との楽しすぎる青春に一緒になってワクワクドキドキしちゃう瞬間の連続。
しかしそれから高校生ぐらいになってから一人の男が二人の関係の間に入ってくると物語が一気に加速、二人の同性と一人の異性の関係性を描いた年代記ものではトリュフォーの"突然炎のごとく"や"恋のエチュード"を想起させるが恋愛が主に描かれない見せ方はどっちかと言うと"突然炎のごとく"に近いかなと思う。そうこの物語はある意味三角関係を孕んではいるがあくまでも女二人の友情という点に重きを置いているのが素晴らしいのだと後半になって思ってくる。
あんなに仲良く過ごしていた二人が別々の道を選びつつも、たまに再会してお互いの関係性を再確認する素晴らしさよ。やっぱりずっと一緒というよりかは付かず離れずでたまに会う関係性が友情関係ではベストかもねって思たりしたが、この物語はいろいろドラマティックな出来事が起こりすぎ問題。だがこんなテイストのドラマではめちゃくちゃ見応えたっぷりで満足できた。
あとラストの見せ方といい、けっこう解釈によっては変わってくる脚本が面白い。親友は果たして死んだのか全てを捨て旅に出たのか、どっちとも解釈できるラストがまた良い味出してたな。
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