ヨーク

暗殺のヨークのレビュー・感想・評価

暗殺(2022年製作の映画)
3.4
未体験ゾーンの映画たち八本目。
八本目にしてこの『暗殺』が今回の未体験ゾーンの映画たちの最後となります。全部で32本あったらしいからちょうど4分の1観たことになりますね。本当はあと3~4本ほど観たいのがあったんだけど時間が合わなかった。まぁでもこんなもんでしょ。4分の1も観れば十分よ。
肝心の映画の方は良くも悪くもないかな~という感じでしたね。アクション面とかお話の設定部分では日本のアニメとかゲームみたいなノリを感じるなぁと思ったところが多くて、それは数年前に公開されてそこそこ話題になった『羅小黒戦記』を思い出した。また直接的なビジュアルはチャン・ツィイーが活躍してた頃の『グリーン・ディスティニー』とか『HERO』とか『LOVERS』とかの頃の雰囲気を感じた。まぁその辺は深い理由とかはなくてそういうの好きだからやりたいっていう、多分そういう映画なんだろうなと思いましたね。
お話はなんか唐の時代くらいなんだろうか、説明あったかもしれんが見落としていたのでいまいち分からんが『暗殺』というタイトル通りに暗殺者ギルドみたいな闇の組織があるんですよ。なぜかメンバーは全員女性。いやマジで何でなんだと思うがなんかそうらしい。主人公は若くしてその暗殺ギルドの頭目である。んでその唐門と呼ばれる暗殺ギルドには陰陽眼という秘宝があって、その陰陽眼は未来を見渡すことができるらしい。未来が見えるということはその見えた未来から逆算すれば「こいつは将来悪いことするぞ」というのも分かるわけで、つまり主人公が束ねる唐門は陰陽眼が導き出した「将来の悪人」を事前に暗殺する組織なわけですね。それ『マイノリティ・リポート』ですよね…という声が脳内で聞こえるが無視して続けると、ある日その陰陽眼が新たな暗殺対象を予見したのだがなんとそれは暗殺ギルドの頭目である主人公だったのだ…! いや完全に『マイノリティ・リポート』じゃねぇか!! ってなるけど、まぁ最初に書いたようにこの映画は多分好きなもの全部載せみたいな、そういうある意味では微笑ましい幼稚性で作られていると思うのでまぁそれもアリだよ。アリかな、アリだろうか…。いやまぁ大した映画でもないしどっちでもいいか。
まぁそんな既視感バリバリな映画ではあるんだけど要所要所のアクションは格好いいし中華ファンタジー的な世界観も結構いいし、コミカルで漫画的な演出も作品自体が二次創作的なノリのものなのですんなりハマってる感じで結構楽しめましたね。まぁキレーなおねーさんがいっぱい出てきたのでそれだけでよかったと言えばよかった映画でしたよ。
基本的には軽いノリのアクション映画なんだけど上記したように『マイノリティ・リポート』丸出しな陰陽眼の設定に関しては作中でも「一つの正しさに盲目的に従ってるだけでは大事なものを見落としてしまう」みたいな教訓的なものが合って、それはもしかして暗に共産党のことを言っているのかな? という気はしたのですがどうなんですかね。まぁそんなに踏み込んだ表現は他にはなかったと思う(途中寝ていたので断言はしない)のだが、そういう風にも取ることはできるという部分は意図して挿入したのかもしんないですね。
最後に言っとくと作中に武器として出てくる鉄製の羽扇が超格好良かった。これこの映画で一番最高だったかもしれない。鉄でできた扇の羽の一枚一枚がファンネルみたいに飛んでいって敵に刺さるんだけどあれ格好良かったな。まぁそういうのを楽しむ映画ですね。そういうもんだと思って観ればわりと面白い映画でした。華やかな女性たちが華麗に戦うっていう、まぁぶっちゃけそれだけですけどね。
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