おこのみやき

書かれた顔 4Kレストア版のおこのみやきのレビュー・感想・評価

4.1
玉三郎の演技と語りから導き出される彼の女役を演じる姿勢と、「レジェンド」たちの言葉。

自分に足りないものを客観的に見たうえで演じる。結局演じられるのは男である自分から見た女であるということ。
男の画家が女の肖像を描くのと同じ。
ただ、そのように描き出された女は、逆に女性性が際立って見える。

フィクション部分「Twilight Geisha Story」は、映像の見せどころという感じ。まさに、男性から見た女性性が強調されていた。芸者は白塗りしないだろうと思ったが、あれは歌舞伎の中の芸者ということか。

玉三郎の踊りは不思議と無限に続くようで、無限に見ていられる。
舞台俳優というものは、そこに立った瞬間に宇宙観を体現できる者だと玉三郎は語っていたが、彼こそがその者だと思わされる。