いけ

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間のいけのレビュー・感想・評価

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あまりに酷すぎる侵攻が悲しいし、悔しいし、怒りを覚えた。
ロシアのウクライナ侵攻はニュースで見ていたけど、全然想像力が足りなかったと思う。
こんなにも理不尽なことが起きているのに、東京の安全で清潔な映画館でこの惨劇を初めて目にしてる自分が情けなくて仕方なかった。

こんなに酷すぎる惨劇を命懸けで映像に収めても「フェイクニュース」扱いされてしまうのが信じられない。
切り取られた数十秒のニュース映像を「フェイク」だとは思ってなかったけど、自分もここまでの惨劇だと想像できなかったし、知ろうともしてなかったから、ある意味ではフェイクニュース扱いする人たちと本質的には違わないのかも知れない。

映画を観る中で「カメラ向けてないで手伝えよ」とか「自分たちだけ先に逃げるのは違わないか?」と一瞬よぎったけど、それは違うんだと気づいた。
この映像が世界に知れ渡ることで何か変わるかも知れないし、自分たちの状況を伝える唯一のラインがこのカメラなのだから、医師が目の前の患者を必死に治療するように、ジャーナリストも必死にカメラを向けているんだと思った。

何を正しいと判断するか本当に難しい。
いけ

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