ワンコ

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間のワンコのレビュー・感想・評価

5.0
【戦争犯罪】

戦争犯罪とはこうしたものだ。

侵攻の序盤は圧倒的な兵力と数的優位でマリウポリを含むウクライナ南部の支配は進んだが、これは単なる破壊や殺戮でしかない。

この後、ウクライナも巻き返したが、アメリカの支援が滞ったことで、最近はロシアがやや優位に見える場面が多かった。

しかし、4月23日、アメリカ上院が円に換算して約9500億円のウクライナ支援法案を可決、再び、ウクライナの巻き返しがあるのか、こう着状態が継続するのか不透明感は続くことになりそうだ。

ただ、アメリカ政府が、ロシアと取引のある中国の銀行に対する制裁をチラつかせながら、外交交渉を有利に進めようとしていて、既にロシアとの取引を中止した中国の銀行も出てくるなど、ロシアに対する経済制裁は強まる傾向にあり、プーチンが近々中国を訪問し習近平と会談すると報じられるなど、ロシアも経済は疲弊しており、余談を許さない状況であることは確かなように思える。
更に、訪中したブリンケン国務長官は、先端技術の迂回輸出も制裁をちらつかせながら強い懸念を中国に伝えていた。

僕は電撃的にロシアがウクライナを支配できなかったことで、既にロシアは大半で負けたも同然だと思っている。

外貨資産の大半は欧米に差し押さえられ、この使い道が議論される段階になってきている。

中国は国内景気の鈍化が喫緊の課題で、不動産業の拡大と建築ラッシュを想定して調達した鉄の在庫に苦しんでいて、鉄鋼企業が安値で鉄鋼輸出攻勢をかけていることは既に欧米などで外交問題になっていて、ロシア支援の余裕などないに等しい状況だと思う。他の産業製品も実は似たような過剰生産の状態だ。

この作品は観ていると具合が悪くなりそうになる。

欧米からの迅速な武器支援が執行され、制空権を回復、ウクライナが一定の反撃を通じて、停戦に持ち込めるように祈るばかりだ。

エマニュエル・トッドのような単なるリアリスト連中は、欧米民主主義は世界的に人気がないなんて、したり顔で発言してるが、人権や民主主義が尊重されない世界にどんな価値があるのか、説明するべきだと思う。

ガザもこれも本当に腹が立つし、旧日本軍の中にもこうした殺戮を実行した連中がいると考えると反吐が出る思いだ。
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