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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間のMKのレビュー・感想・評価

5.0
タイトルのとおり、マリウポリのロシア侵攻からの20日間の映像ドキュメンタリー。
ロシア側のコメントを借用するなら映画か何かのフィクションのように生命を奪われていく人々…「今の気分は?」とマイクを向けられた遺体を埋葬する職員の「どんな言葉を言えば正解だ?」がとても印象的だったけど、鑑賞中に芽生えた憤りや悲しみ、虚しさというものをどうしていいのかわからないほど、想像を絶する現状がそこにあった。

そして、侵攻当初、心に留めるでもなく目にしていた映像たちが、生命の危険も顧みず、マリウポリの現状を国際社会に伝えるために現地に留まった勇敢なジャーナリストによるものであることを知ってとても心打たれた。

「この破壊の連鎖を終わらせるために何をしたか、子供たちに問われた時の答えを持ちたかった」とはナレーションの言葉。

現在進行形の破壊の連鎖…戦地には行かなくても、メッセージを発することもできなくても、何かできるのかもしれないと考えるきっかけをもらえた気がした。

この破壊と殺戮が何を生み出すのだろう…消えかけた生命を救おうとするのも、顔も知らない誰かに敵と決めつけられ、言い聞かされた生命を奪うために弾き金を引くのも同じ人間の手だと思うと本当に悲しい。
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