菩薩

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間の菩薩のレビュー・感想・評価

-
ふむ…。市民同士での略奪が始まったあたりでもう全部消えてしまえよ…と思ってしまったのも事実なのだが、あれこそが戦争のリアルであり、極限状態に置かれた人間の生の姿なのだろう、その対極に様々な死がある。良い人はより良い人に、悪い人はとことんまで悪い人に、戦争だからは何よりも強い口実となり、人命すらも蔑ろに出来る大義名分と化す。例え真実であろうと簡単にフェイクだと言い切られてしまう昨今において、これは報道にとっても非常に大きな戦いとなり、同時に外に出せる報道そのものの限界を知ることにもなる、記者自身が見た世界は絶対にこんなもんじゃないはずだから。長きを経て生み出されたものもほんの一瞬で崩れていく。2年経っても終わらずその間に新たな虐殺が始まった世界に尚の事絶望しかないが、そんな無意味な絶望に浸るくらいなら1日でも早い終結を祈る。
菩薩

菩薩