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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間のsnatchのレビュー・感想・評価

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ここに出てくる映像は2022年2月24日、ロシアのマリウポリへの侵攻が始まり、日本のニュースでも放映された映像。ロシアの高官たちがフェイクだと騒いだあの産科病棟への爆撃後を撮した記者の撮影記録だった

それらのニュース映像がどんな状況下で起こり、その時の撮し手とカメラに映った人々を知る
この記者は、今までこの10年ウクライナとロシアの間に起こった複雑な関係も報道してきた人だった

「何でこんな事になったの」
息子の所在安否を繰り返す母親
「死んでしまったの、何で」
病院で命を救えなかった一歳半の我が子を抱きしめる夫婦
「どうして、自分が何か悪い事をしたのか」
瓦礫になった家の前で立ち尽くす老人

ただ1人、撮影カメラを片手に現地に残ったウクライナ人のAP通信のこの記者は、インフラが破壊され電話もネットも通信できない状況で、医者や警察官にこの現状を世界に伝えてくれと託される
自分の家族の安否にも常に思いを寄せながら、記録を続ける。目の前の現実を撮し続ける


戦場下の音がビクっとさせる
遠くの空爆から近くへ、攻撃、狙撃、マシンガン、戦車とどんどん近づいてくる音


黒いビニール袋に入れたまま、長い穴を掘って埋めるしかない夥しい遺体。大きな遺体 小さな遺体

両国の遺体がこれ以上増えないように、支援すべきものは武器じゃないだろうと強く思う


※この記録に音響は全く必要なかったと思います
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