やはり本作品は見ないとマズいだろう。改めて隣国との歴史やイデオロギーの違いなど国家間の関係において、大きなリスクを背負っているのは分かっていたけれども、国民目線で何を備えていなければならなかったのかと考え込んでしまった。
隣国ロシアの挙動に変化があり、リスクがあったが、まさかの開戦。その時は『親ロシアのウクライナ人』を『ナチ化』したウクライナから救う為・・云々という言い訳に終始していたが、白々しい嘘も良い所であり、そういう暴挙を止められない国際社会にも大きく失望するものであった。
そんな中、激戦となったマリウポリにおける住民たちの混乱を冷静に撮影し、その動画を細分化してなんとか本部へ送信し、命の危険を抱えながらほぼリアルタイムで現実を報道したこのジャーナリスト達は尊敬に値する。
母子小児病院を攻撃し、負傷を負った妊婦をフェイクだと会見したロシア側の指導者達には『恥を知れ』と言いたいし、正に正々堂々と戦争犯罪を犯している訳だ。このフェイク発言に対して、真実であった事ももっと日本でも報道して欲しかったものだ。個人的はフェイクだとロシア側が応答したまでの報道しか聞いていなかったからね。
こんな非人道的な行為がウクライナで行われているが、同時にパレスチナでも同じ様な非人道的な事が行われており、本当に嘆かわしい世の中になったものだと。
攻撃が始まり、マリウポリから脱出する事も出来ずに恐怖に耐えながら治療に当たる医師や看護師の姿に心打たれるが、爆撃音と共に恐怖の表情が正に人間の本能的な恐怖を表しており、本当に気の毒だった。また、犠牲になった多くの子どもたちの亡骸など。近代社会と全く思えずに絶望したね。
全くエンタメ性は無いが、今、見なければならないドキュメンタリー作品だ。
