偉い人達が始めた戦争で、犠牲になるのはそこに住む人々。
ニュースでマリウポリのことを見たことはあったが、ここまで陰惨な状況だったとは。
孤立し外部の情報を得られず、いつ攻撃されるかわからない恐怖。
物資が足りず人々が店から盗むことも厭わなくなり、悪化する治安。
塹壕に積み入れられていく遺体袋、感情を殺してそれを投げ入れる職員。
助けることができなかった患者たちの墓場となった病院の地下。
戦車が街を破壊し、自分たちのいる建物へ砲身が向けられる瞬間の恐ろしさは画面越しでも伝わってきた。
AEDを使用して蘇生を試みるが亡くなった幼子や、骨盤を損傷し胎児を失ったことで殺してくれと頼み亡くなった母親は辛くて目を背けたくなる。
そんな地獄の中で、産まれたが声をあげようとしない赤ん坊を必死に生かそうとする医師達の姿は目に焼き付いて離れない。
ロシアとウクライナの戦争が始まって2年。
始まった当初こそ戦争に対して嫌悪感や危機感を持っていたが、月日が経つとともに、他国のことと少しずつ慣れてしまっている自分に、戦争の恐ろしさ、異常さを再認識させてくれた。
映像の中に出ていた医師や住民の方々や、今でも戦場にいる人たちの無事と戦争が一刻も早く終結することを祈りたい。
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