デンマークの若牧師がアイスランドの僻地に教会を建てるため壮厳すぎる秘境を旅するサバイバル珍道中とその末路
牧師さんだし主役だし…という私の勝手な固定概念で観すすめていたら なんだかものすごい違和感。この青年が適応力ゼロの割に結構上から目線で傲慢なひとりよがり、違う惑星を旅してるような死と崖っぷちの道中でも自己中全開でデカい機材のカメラ抱えてインスタグラマーばりに写真を撮りまくる。デンマーク嫌いのアイスランド人ガイドのおじさんとは犬猿､その小さな器で終始周りを翻弄する。彼の任務の真の目的､実は厄介払いというか布教活動という名の左遷なのでは。現地到着後のマイペースぷりも健在でその着地は因果応報というか まじでキョトンな有り様。
そんな様々な醜態やいざこざもあの神々しいまでの脅威的な大自然のもとではほんとに些細でちっぽけなこと。神様の見つめる人間の所業なんて所詮アリンコ達の戯れ程度にしか過ぎず、すべては大地に還っていくという寓話だったのかもしれない
2つの言語でタイトルが2回も出てくるという不思議スタイルはアイスランド生まれデンマーク育ちの､両国の異なる文化 言語 宗教観を絡めた歴史を知る監督の愛と主張なのかもしれません。この2国を代表する主人公とおじさんのやり取りはちょっと｢イニシェリン島｣のあの二人を思い出したし ポラロイド写真のようなコンパクトな画の構図は絵本を捲る感覚に通じてたかな
そして賢いワンコはいつもすべてを知っている
