熊犬

ブギーマンの熊犬のレビュー・感想・評価

ブギーマン(2023年製作の映画)
3.7
【王道でクラシックなキングらしいホラー】

原題:The Boogeyman

母親を突然の事故で亡くし悲しみに暮れるハーパー家。一家がその悲しみから立ちあがろうとしている最中、セラピストである父親のもとを、ある不審な男が訪れる。彼は"心が弱っている家族を狙う、闇に紛れるなにか"の存在を仄めかし、妻を亡くして間もないセラピストであるウィルのもとに助けを求め訪れたという。それにより、ハーパー家がその"なにか"に目をつけられる事になるとも知らずに。そして次女のソーヤーが闇の中に"なにか"を見始める…
…な、映画。

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スティーブン・キングの短編を基にしたホラー映画。古くからアメリカに伝わるブギーマンと言われる化け物をテーマにした話。いわゆる小さな子供が「ベッドの下に何かいないか見て!」のベースの化け物ですね。

ザ・王道ホラー。古き良きホラー。捻りがないストレートなホラーながら、ホラーとしての純度と質が高くてとても楽しく観れた。良いですね、この安定感にホラーなのに不思議な安心感を覚えてしまいました。

ホラーはジャンプスケア、じわじわと来る緊迫感、モンスター、暗闇、疑心暗鬼、モンスターバトル、色々とバランスが良く入っていて飽きずに観れる。ジャンプスケア一辺倒かと思ってたけど、意外に疲れない程度な所で丁度良かった。そして何よりブギーマンの不気味さがとても良く作られていて、闇が怖くなること請け合い。最後の火が消えるシーンは秀逸ですね。

家族の再生の物語でもあり、気丈な長女のセイディーと、弱さをさらけ出せない父親との関係性がとても良い。ホラーの邪魔しない程度に。

クオリティが非常に高い王道ホラー、スティーブン・キングの安定感は流石です。

■本日のビール『Ghost Hammer IPA』
醸造所:Stone (アメリカ / カリフォルニア)
カリフォルニアの大御所醸造所のストーン。ここまで大きな醸造所だとナイトシフトもある様で、醸造所の暗がりには何かが潜む…
そんなナイトシフト組に捧げて、彼らの夜の仲間である闇に潜む"何か"の名前を冠したIPA!ホップがしっかり効いたシトラスが美味しいIPAを飲みながら、暗闇の住人に思いを馳せて…
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