"ブギーマン"というタイトルは流石に背負いすぎではと思うけれど、何というか普通のホラーでしたね...という普通ホラー作品こと本作。
全体的にはとても良い、めちゃくちゃにけなすような所も特にないような出来で、小粒なホラー映画としてはまずまず。しかしながら群雄割拠の大ホラー映画時代において特に振り切ったような特徴も無いので、1週間前に観たのに何も憶えてねぇという感じになってしまっているのも事実。テーマの掘り下げもかなり浅い所で留まっているので、本当に既視感の塊のような作品になっているんですよね。
ただ褒めるところがあるとすればブギーマン君、結構姿をちゃんと見せてくれて大活躍。結構な質量があるモンスターだけどお前今まで何処にいたん？という疑問は置いておくとして、人間とモンスターのガチンコバトルが見れるというのはとても嬉しいという感情はもちろんあります。物理バトルありがとね。
もうね、最近変なホラー映画ばかりが出てきているせいでこういう割と普通の映画が「なんか普通だな...」になってしまうんですよ。みんな変な映画を作り過ぎ。ジェームズ・ワンはまだ軸が王道にある人だけど、アリ・アスターが結構ルールを壊してしまった感がある。いや良いことなんだけど。もしかしたら俺たちがホラー映画に「怖さ」以上の「変さ」を求め始めてしまっていることに原因があるのかもしれない。濃いメッセージ性や政治性を求めすぎてしまっているのかもしれない。
そういう意味で本作はまだ正気を保っているホラー映画としておススメです！
