KOTAYOSHIDA

トンソン荘事件の記録のKOTAYOSHIDAのレビュー・感想・評価

トンソン荘事件の記録(2020年製作の映画)
4.0
韓国産モキュメンタリーホラー。めちゃくちゃ良かった。今年劇場で観たホラー作品の中では一番好き。あとプライムビデオで配信されてるような日本のインディーのモキュメンタリーホラー的な趣がある作品でそこもめちゃくちゃ好きでした。

ある殺人事件に端を発して"触れてはいけないものに触れしまう"という怖さは、日本でも最近では『心霊マスターテープ』というモキュメンタリーホラーのドラマシリーズがあったが、本作はまさしくその韓国版。"触れてはいけないものに触れてしまった"人間が何か得体の知れない事態に巻き込まれていく怖さ、そしてヤバいと気付いていながらも知りたいという欲求に負けてしまう人間の怖さ、真相に1歩1歩近づいていくにつれて事態もどんどん奇妙な方向に転がっていってしまうという怖さはこういうモキュメンタリーならではだなぁととても嬉しくなりました。また韓国ホラーと言えば祈祷の儀式!よ!待ってました!儀式大好き!あとなんかここだけカメラワークやショットが普通の劇映画みたいになるけどめちゃくちゃ怖いから良し!という感じで、個人的に悪魔祓いの儀式があれば基本5億点なのでこの作品も5億点です。

そして「真相が分かったが分かっただけで謎がまだまだあるんですよね...」という良い意味での消化不良エンディングで終わると思いきやそこから先の超展開。流石韓国映画。POVで大暴れします。え!こういうのも観れるんだ!嬉しい!POV苦手なのでめっちゃ酔ったので言って欲しかっけど!あとこのシークエンスめっちゃ怖かった。夜×森×取り憑かれた人×POVは流石にテンコ盛り過ぎ。やばいやばいやばい、いるじゃん、こっち来てるじゃん、呑気にカメラ回してないで逃げろ!止めて!来ないで!というPOVあるある、カメラ回してないで逃げんかい展開もしっかりあります。

昨今『女神の継承』や『呪詛』など活きのいいアジア産POVホラー(モキュメンタリーホラー)が劇場公開されて賑わっていますが、個人的にはこれもそれらに比肩するくらい怖いというか普通に嫌というか、韓国ではあるけど自分たちの生活様式とほぼ同じシチュエーションで色々起こっているので、余計に地続き感が強くそこがめちゃくちゃ嫌ですね。

日本のモキュメンタリーホラーだと日本の谷口猛監督の「心霊×カルト×アウトロー」とかおすすめです。あと超有名だけと白石監督の「ノロイ」、あと前述した「心霊マスターテープ」。
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