ぶみ

トンソン荘事件の記録のぶみのレビュー・感想・評価

トンソン荘事件の記録(2020年製作の映画)
3.0
韓国震撼

ユン・ジョンヒン監督、ソ・ヒョヌ、チョ・ミンギョン等の共演による韓国製作のホラー。
釜山にある旅館「トンソン荘」で起きた殺人事件の一部始終が記録されたビデオを追う取材班の姿を描く。
物語は、冒頭、殺人事件を追った記録映像を、映像制作会社の取材班が検察から手に入れ、それを編集し映画化した旨が示され、以降、所謂フェイクドキュメンタリーとして進行。
同様の手法の作品としては、最近観た中では白石晃士監督『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』を思い出すところなのだが、もちろん予算の違いやコンセプトの違いが当然あり、同作品の良さは承知の上で敢えて言うならば、作品としてのクオリティは、演技然り、映像然り、コメディ要素を廃している本作品に軍配が上がり、特に前半はリアルドキュメンタリーだと言われても違和感ない仕上がりとなっている。
反面、そのリアルさから、手持ちカメラのブレが激しく、スクリーンで観ると人によっては映像酔いしそうなレベルなので要注意。
また、トンソン荘という邦題から、勝手に廃墟ものを想像していたのだが、普通に古びた旅館だったのは少々拍子抜けだったのに加え、原題である『マルイビデオ』そのままだったら、意味がわからなかったところ。
祈祷師が出てきたあたりからドキュメンタリーの様相が怪しくなったものの、ミステリ要素も散りばめられたモキュメンタリーホラーとして、じわじわくる怖さを持っている一作。

誰かがここにいる。
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