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トンソン荘事件の記録のsekkenのレビュー・感想・評価

トンソン荘事件の記録(2020年製作の映画)
2.0
ホラー映画とはシナジーが重要なのだ。整っていない土台にあれこれ乗せられても意味わかんないね。字幕も左に出たり右に出たり下に出たり。

A子供の日に起こったとある殺人事件(犯人が一連の出来事を録画していた)
Bその録画映像内に移る少年の霊
Cかつての一家惨殺事件

素材としてはとても良い。古新聞の被害者の写真は怖いし(「みさき る」とか)、何かが起こりそうな雰囲気が漂って期待できる。

しかし本作においては上記ABCの関連がわかりづらい。芋づる式にD、E、Fと追加要素が発生して繋がり、真相に近づく……というスタンダードな構成なのだろうが、いまいち「そうだったのか!まさかそこが繋がるとは!」とならない。
そもそもファウンドフッテージの殺害シーンがまるっとカットされている+幽霊要素のせいかどっちつかずになり、異様さが伝ってこない。一家惨殺についてもよくわからんまま憑依されて除霊が始まり、よくわからんまま続いていく。犬、かわいいね。猫、かわいそうだったね。

あと大前提としてPOVならPOVに徹底してほしい。極端な例だが白石監督のPOV魂を見習ってくれ。あとスタッフが多いため飛び飛びの現場でもオール手取りというスタンスを貫いてた「女神の継承」は個人的に違和感がなかった。カラーバーがアイキャッチ的に入るのもよくわからん。そういえばカラーバーへの恐怖って万国共通?ド定番だけどちょっとビビる。

ラスト付近でとある人物が血まみれの手で遺影をカタンと倒すシーンなどは異様な雰囲気で好きだった。

ABCの素材が好みでワクワクしただけに残念。さよなら、770円のU-NEXTポイント……。
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