おさる

コヴェナント/約束の救出のおさるのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.0
機内にて鑑賞。
2021年の米軍のアフガニスタン撤退で報じられなかった、米軍属アフガン人通訳に対する不当な扱いについての問題を浮き彫りにする作品。

戦死の危険はもちろん、現地人(特にタリバン)からは裏切り者扱いをされ、米軍からは偏見の目で見られ、契約(Covenant)したはずのビザすら与えられないし、そもそも現地では敵方との見分けがつかない。もちろん階級もない。
なぜ志願するのか、Ahmedの生き方に心を打たれる。

米軍人と通訳の戦地でのCovenant(献身、友情、義理)と戦士の文化を描いた点はせめてもの救いだが、そうではなく不幸な運命を辿ったり、今もタリバンから隠れた生活をしている通訳が多いことに心が痛む。

この映画は主人公含めほぼ下士官のみで進む。実際に戦地で通訳と生死を共にし密に関わる階級。下士官に権限が与えられるのも米軍の特徴かもしれないが、そもそも士官が適当な人事をするからこのような問題が生じるのだろう。

なお劇中の説明はほぼ無いが、舞台はアフガニスタンに展開した米陸軍第82空挺師団。主人公はグリーンベレー、曹長、JTAC(Joint terminal attack controller:統合末端攻撃統制官)。
小銃はHK416、拳銃はタンカラーのM9A3。特殊な人々。

銃撃描写も銃声の大きさ、射入口が小さい等、リアル路線をいき恐怖を覚える。回想タイムも一人称。細かいことだが監督のこだわりを感じる。もちろんグレンファークラスも。

ただ、民間警備会社がAC-130やアパッチを使えるのか?税金の使途として問題ないのかい笑?
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