分かりやすいストーリーとガイ・リッチー監督による緩急ある演出で、ただドンパチするだけでないエンターテインメント作品になっており見易いため、普段戦争モノを観ない人にも是非観てほしいと思った。
メインストーリーの「恩人の救出」「友情・絆」と共に、戦争の実態…というか現地兵士の日々も鮮明に描かれる。
観客も戦闘のさなかにいるような米兵目線のカメラワークに自分がはっとしたのは、「兵士に別れの挨拶はない」という点。
家族は出征時に別れを惜しめるが(それもつらいけれど)、現地で支え合う仲間とは"さようなら"さえ言えずに別れる事も多々あるのだなと。
つい数時間前まで冗談と軽口を言い合ってビールを飲んだアイツも、次の瞬間には血塗れかもしれず、振り返った時にはもう死体かもしれない。
平和な日本で暮らす自分には「戦争は過去のもの」という認識がどうしても強く、ニュースで見聞きしてもとても地続きの場所で起きている実感がない。
しかし自分の非日常がどこかの日常であることは確かな現実だということを突きつけられた。
こんな諸々の投げ掛けとエンタメをほぼ2時間きっかりに収めてくるガイ・リッチーはすごい。