花火

コヴェナント/約束の救出の花火のネタバレレビュー・内容・結末

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

アーメッドが内通した通訳をボコしているのを制止すべくキンリーがホルスターから拳銃を抜くカットの画面構成から明らかなように、アフガンものの企画を西部劇のアプローチで撮る(ご丁寧に終盤追い込まれた主人公たちのもとに騎兵隊の如くみんな大好き天使ことAC-130がやって来る。これが本当にCoDモダン・ウォーフェアシリーズそのままな描写で逆に笑ってしまった)――というのはしかし、それこそ対テロ戦争華やかりし時代から量産された戦争映画にもよくあったもので、別に大した新規性は無いのでは?10年前といえばちょうど同じような『ローン・サバイバー』が製作された頃で、その時ですらちょっと古いなと思ったのに、もはや骨董品の感すらある。急ぎ断るならラストのテロップが語るように、21年の唐突な米軍アフガン撤退によって生じた混乱に憤りを覚えての企画だろうというのは分かるのだけれど、であるなら中途半端に戦争映画っぽくせず徹頭徹尾アフガニスタンの側から描くべきだろう。
閑話休題、中盤までたっぷり時間をかけてキンリーとアーメッドが打ち解けて信頼関係を築くまで、そして決死の逃避行を描写するので、男の友情については腑に落ちる。言い訳みたいではあるけれど、一応残される家族の立場も入ってもいる。なんだかんだ言いつつ最後まで寝ずに観られていたのも、ガイ・リッチーの基礎体力ゆえだろう。けれど彼にはこんな神妙な顔した作品より、もっと馬鹿げた題材をフリースタイルに撮ってもらう方が幸福なことだと思うのだけれど。
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