Kenzo

コヴェナント/約束の救出のKenzoのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.5
ガイ・リッチー監督作品。2019年の実写版『アラジン』以後、量産体制に入ったリッチー監督。とはいえ、それらの作品は原点回帰とも言えそうな、ノワールムービーだったのが、本作は監督初のミリタリー・アクション。
2021年の米軍のアフガニスタン撤退以降、アフガニスタンに残された多くのアフガン通訳がタリバンによって殺害されたり、狙われている事実をモチーフにした本作。
ある作戦で自身が率いた部隊が、タリバンによって壊滅、通訳によって唯一生き残った主人公が、帰国後、通訳がアフガンに残され、家族と共にタリバンに狙われている事を知り、単身アフガンに戻り彼らを救出するというムネアツな物語。
主人公キンリー曹長をジェイク・ギレンホールが好演。だが、それ以上に現地通訳のアーメッドを演じたダール・サリムが良かった。
物語の中盤、負傷したキンリーをあらゆる手段で連れ帰ったアーメッドの姿の凄さ。決して諦めない姿に心打たれた。
後半、そんなアーメッドを救う為に単身アフガンに戻りアーメッドの家族を救い出したキンリー。最後の最後に軍の力(正確には違うが)で救出に成功。アーメッドへの恩を返したキンリーの誠実さは報われた。
リッチー作品といえば、軽快なアクションや軽妙な台詞が代名詞だが、本作は重厚な作風。戦争モノ、ミリタリー・アクションとしては近年の中ではピカイチだったのではないだろうかか。
Kenzo

Kenzo