ジェイク・ギレンホールは、苦悩の表情がよく似合う。それがそのまま、アフガニスタンとアメリカの苦悩を表している。
同じ舞台では、『ローン・サバイバー』が現地の人に助けられた米兵を描いていたし、『アウトポスト』がタリバンに囲まれた米軍基地の窮状を、ともにリアルに描いていた。
これは、その2つを合わせて、ガイ・リッチーが外連味を排除して作ったものだ。
それでも、戦闘シーンは冒頭からリアルで、弾丸が都合よく仲間を「よける」こともない。味方の支援も、いつでももらえるわけでない。
ただ、アメリカの物量は凄まじく、ラストではそのあたりの皮肉と怖さを強調しているのだろう。ハリウッド映画ではないし、イギリス人監督でもあるので、こうなった気がする。
何よりも、ソ連との紛争に勝手に手を出してきたアメリカが、国益にかなわないとして、これまた勝手に手を引いたアフガニスタンのことだ。
ヒース・レジャーとのW主演だった『ブロークバック・マウンテン』以来、ジェイク・ギレンホールを観てきたが、本当に貫禄が出てきた。