ぴー

コヴェナント/約束の救出のぴーのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.0
え、ガイリッチーってあのガイリッチーじゃないガイリッチーがいるの…?と思ってしまうレベル。良かった。
これまでのフィルモグラフィーは、こういう映画を撮るための修行として、それなりに興行的な成功を収めつつ腕を上げるために作ってたのか、と結構本気で疑いたくなる。

さすがの冴え渡ったガンアクションは見応えあり(戦争映画で交戦シーンをこんなに楽しんでいいのか?という戸惑いはありつつ)。
サスペンスの作り方はもとより、銃声のサウンドメイクに経験を感じた…リアルじゃないのかもしれないけど、思わず惚れ惚れしてしまうような。

ドラマパートで目を引いたのは、カットバックを繰り返しながら人物の内面を写すかのようにジリジリと寄った後、突き放すようにズームアウトして距離をとるカメラ。
ある意味ではガイリッチー“らしい”キッチュな表現でもあるけれど真に迫った演出だと思った。

米国の「英雄」を描く体で、タリバンでない「普通の」アフガンを描きながら、真っ向からの米国批判へ。
ジョンが見たフラッシュバックのモンタージュで最後は跪くアーメッド、わざわざ“エンジェル”の内側から映される照準…演出の積み重ねで大きなステートメントを成立させる細やかさ。

いやはや、やはりギレンホールが出てる映画にハズレはない。
ぴー

ぴー