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Huesera: The Bone Woman(英題)のOmizuのレビュー・感想・評価

Huesera: The Bone Woman(英題)(2022年製作の映画)
3.3
【シッチェス映画祭2022 コンペティション部門出品】
メキシコのミッチェル・ガルサ・セルベラ監督作品。シッチェス映画祭コンペに出品され、メキシコ・アカデミー賞であるアリエル賞では17部門にノミネート、脚本賞など4部門で受賞した。

2023年特に高く評価されたホラー映画の一つ。某トマトでは98%フレッシュと絶賛されているが、日本公開の予定は今のところないみたいだ。

悪くはないが、そこまで絶賛するほどでもないという印象。良くも悪くも地味ではある。

ただ、「母性」という言葉で型にはめれれがちな妊娠女性の自我の崩壊を上手く描いてはいると思う。メッセージ性は伝わった。

また、ジャンプスケアを多用しない演出は好感が持てる。イヤーな骨のポキポキ音で嫌悪感をかき立てられる。音演出がすごくよかった。

本当には自分はどういう人であるのか、そしてどう生きたいのかを深く描いている。ごく普通に見える夫婦生活、妊娠であるが、彼女の過去を描いていくことで、いかに彼女が自分を抑圧しているかが浮かび上がってくる。

メッセージ性や演出は悪くはなく、特にラスト15分はなかなかに怖い。あの造形はすごい。ただ、それまでがやや地味すぎて退屈。主人公にあまり共感が出来ないもので…

面白いには面白いが、完全にアート映画。それにしても地味すぎると正直感じてしまった。
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