Masato

テトリスのMasatoのレビュー・感想・評価

テトリス(2023年製作の映画)
4.1

AppleTVオリジナル作品。テトリスが販売されるまでのとんでもない権利バトルを描いた伝記映画。

見る前からは想像もし得なかったエンタメ度満点のスリラー映画。資本主義と共産主義が対立構造になる物語や、権利の売却が二転三転と転んでいくビジネスモノなどはアメリカ映画よりも韓国映画の北と南のバトルを彷彿とさせる。(特に工作を思い出した。)正直権利問題のディティールが複雑すぎて完全に把握できたわけでは無いが、それでもかなり砕けて説明してくれるので分かりやすい方でめちゃくちゃ面白い作品。テンポがめちゃくちゃ良い。

まさかテトリスの裏側でこんな物語があったなんて知らなかった。普通なら地味な権利獲得のための企業間の争いになるものが、ソ連というやりたい放題の共産主義国家が入ってくるだけでこんなにもメチャクチャな展開になってしまう面白さ。一介のビジネスマンがこんなことをするなんて、本編では飄々としてるけど怖かっただろうな。そもそもテトリスがソ連のプログラマーが考案したという事実も仰天。

まあしかし、共産主義思想自体は良いのに運用するとこうなってしまうんだろうか〜と悩ましくなる。理想なだけの思想で人間である以上実現できないものなんだね。
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