Asino

非常に残念なオトコのAsinoのレビュー・感想・評価

非常に残念なオトコ(2023年製作の映画)
3.8
レンタル開始になったのでさっそく見ました。
冒頭が「Crazy Rich Asians」に対する緩い違和感の表明、みたいなところから始まったので笑ったんだけど(しかもその出演者がカメオ出演している(笑))

全体的にハリウッドにおけるアジア系表象(わりと画一的になりがち)についての(ゆるい)反論でありつつ、でもだからといって超金持ち層のロマコメがヒットすればOKなの?というのも引っ掛かりつつ、最終的には地味な脇役(あるいは敵役)にどとまらない多様な描かれ方が増えていることについて総論としてポジティブ(まあそりゃそうだ)なところに落ち着いていて。単にジャスティン・ミン演じる主人公のふらふらした数ヶ月を描いただけの話にはなってなくて面白かった。

さんざん「性格が悪い」「ネガティブ」「いつの時代に生きてるの?」と言われ倒される主人公の言動は「正直こんなやつ身近にごろごろいるなぁ」という感じ。
ていうかほんとうは映画とりたかったのに挫折してアート系映画館で働いてるけどつぶれちゃったり、拗らせ方はちょっと他人事と思えない部分もあるのでひりひりしもする。
とはいえジャスティン・ミンの顔でいわれるとなんか許してしまいそうになってただけなのかも?(ダメなのは私)(もちろんソノヤミズノ(の役)は許さないわけだが)

それにしてもランドール・パーク(初監督作品)(こないだ見た、彼が脚本に参加してた作品は全然つまんなかった)と、エイドリアン・トミネ(原作。オディアールの「パリ13区」も彼の作品が原作)の食い合わせがいいとは意外だった。それは本当に。たぶんだいぶ変わってるんだろうけどね。
Asino

Asino