菩薩

Clockwatchers(原題)の菩薩のレビュー・感想・評価

Clockwatchers(原題)(1997年製作の映画)
3.5
キャストもテーマもあまりにも90年代、90年代のフェミニズム映画、ただこの問題が30余年を経た今たち消えているかと言えばそうでもない。男性中心の会社組織に於いて立つ瀬がない女性達、派遣社員と言う強い紐帯で結ばれた者同士の連帯それ自体は微笑ましいものだが、自分達を飛び越え社員として採用された女性に対しては醜き嫉妬心を覗かせる。彼女も彼女で組織の中で孤立を深め、悪癖が加速していく。ただ疑いの目は立場の弱い者達に向けられ、疑心暗鬼を募らせいく彼女達の足並みとメンタルは徐々に崩壊の一途を辿っていく。はなから期待などされていないのだからと、頑張らなくていい自分と言う地位に甘んじてしまう事、フェミニズムはその「諦め」に対する抵抗であると思うし、そうして築かれた「当然」を打破する為の運動であると思う。
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