Saaaaa

マグダレーナ・ヴィラガのSaaaaaのレビュー・感想・評価

マグダレーナ・ヴィラガ(1986年製作の映画)
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セックスワークを始める前にはセックスというものを神聖で特別な行為であるという認識をしていたが、何度も何度もセックスをしていくうちに穴にアレをただただ入れる苦痛である行為と化する。苦痛を伴うセックスを、祈ることによって緩和させようとする。いや、この時すでに苦痛なだけではなく苦痛を超えて無なのかもしれない。

一般的なポルノシーンではセックス中に女の曲線美が映ったり局部が顕になったりすることのみならず女が快楽的な演技をすることによって、肉体を直接絡めていない傍観者にまで性欲を助長させるような感じがする。しかしこの映画では全くもって女が演技をしない。そうするとセックスシーンはただの苦痛な時間、義務的行為時間、とても男が悪いことをしているように映る。セックスシーンを快楽的に映すのにここまで女の手を借りないといけないのかというのをこの映画で学んだ。

この映画では演技を一つもしていない。

殺すことに達する怒りと自死するに達する怒りは違う。
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