tokiwa3256

夜明けのすべてのtokiwa3256のレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.0
原作未読。
なんと言っても三宅唱監督の作品なので公開初日のレディース・デイでの鑑賞。松村北斗さんお目当ての女性が多い印象^ ^

物語自体は個人的に苦手な部類だし、淡々とした語り口で尺が少し長く感じるほどなのに、この淡白なストーリーをこんな風に描くことができるなんて...
最後はやっぱりジ〜ンときてしまった。
極力ネタバレ無しで。


前作と同様に16㎜フィルムでの撮影。
三宅監督の描く構図が本当に好き!
この16㎜映像の空気感を大スクリーンで鑑賞できることは映画館で映画を観る喜びでもある。

最初のモノローグは「なんか、三宅監督らしくないなぁ...」と思ったが、最後を観て「ああなるほど」と。
NHK朝ドラ共演の2人を使うのはいささかコンセプトくさい気がしたのだが、三宅唱監督って本当に役者の自然な演技を引き出す演出の才能は唯一無二だよなぁ。主演2人のなんてナチュラルなこと。山添君が会社の上着を羽織る辺りからグッときた。恐らく栗田科学の人たち一人ひとりに対して実際の映像には映らない膨大な量のサブテキストを用意したんだろうな、、と想像できる。
この映画は悪い人間が誰ひとりとして登場しないんだよ。

この作品もベルリンに招待されてるんだったかな?
お互いが才能を認め合う片方の濱口竜介監督はもはや世界的映画賞の常連だが、三宅監督にもいつかは欧州の映画祭で最高賞を受賞してほしい。それだけの逸材だと思う。
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