散歩

夜明けのすべての散歩のレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.1
山添くんと似た症状を持っていたことがあるので前半は所々に「ウッ!」って感じたりもしたんですが、過度に何かを強調する事のない物語と16mmフィルムの輪郭のハッキリしない映像にずっと温かみを感じながら観ていました。時々映し出される夜の街を見下ろすカットはおそらく夜空の星々に重ねたものかと思いますが、本来関係のない星々が繋がって星座を作り物語が生まれたように、街の明かりの1つ1つやそこにいる1人1人が繋がって物語を作っていけたら、それがオープンで優しい物語であったならそれは多分素晴らしいことなんだろうなって、映画自体がそれほど何かを押し付けてくる訳ではないので色々考えながら観てしまいましたね。今作のような気を遣わず思いやれる世界をキレイごとや理想論として切り捨てるのではなく、北極星のように進むべき道を示すものとして捉えていけたらいいんですけどね。ただ見ているだけでも楽しいしクスッともさせられるし、でも個人的には思いやりと想像力の作品だったなって思える所もあって、ホントに良い映画体験でした。

観終わってちょっと気になったのは、「あの映画観たことある?」ってやり取りがあったならその映画を観ているシーンがあって欲しかったなぁって思ったりしてね、映画なんだし。
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