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夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.0
部活終わりの活発そうな女子高生たちが上映終了後、“私の見たかった北斗はこんな感じじゃない…”みたいな感じでキョトンとしておりました😂笑

しっかり朝ドラコンビのメジャーキャスティングながら、よくもまぁこんな“抑制”の効いた、“垢抜けない”(良くも悪くも)消費しづらい映画を作ったなと感心もさせられはする一方、ちょっとシネコンで公開されるジャニーズ主演のメジャー映画としてはけっこう映画偏差値、リテラシーを要するものになっており、気軽には観づらい。

“映画的”というような意味では模範解答みたいによく出来た映画とは言えるかもしれないけれど、私も映画偏差値そこらの女子高生と変わらないので、もっとハッとさせられるような画面のケレンや、予想外の驚きを求めてしまう。

三宅作品、実は前作『ケイコ 目を澄ませて』も同じような感じで私はあまりハマってなくて、何故か前々作『きみの鳥はうたえる』だけ好きだった。それはもしかしたら原作の佐藤泰志エッセンスに惹かれていただけだったのかも❔🤔(※今回の原作はなんと『そしてバトンは渡された』の瀬尾まい子👀)。“「恋愛」ではない人同士のつながり”というのが主題とはいえど、もう少し“それ”が沸き立ってくるものであっても良かったのではないか…(※まぁ男の方はよいとしても、上白石姉はちょっと魅力に欠けるので恋愛云々があってもちと画面を見続けるには足らないか…)。

映画としての基盤、作りももうちょっと『きみの鳥~』の方がラフで“チャラい”印象はあったけれど、自分にはそちらの方が合うのかも❔(※撮影が四宮秀俊から『朝が来る』の月永雄太に変わったのは大きいような📸)

云わば監督の演出力みたいなものはもう疑いようもない(なんら有りすぎるくらい)方だと思われるので、私はこれから『やくたたず』や『Playback』、『ザ・コックピット』辺りのオリジナル脚本の荒っぽさそうな初期作の方に期待、観ることが出来たらなと思う次第であります🙇‍♂️

P.S.
個人的に外国映画における、非説明的でナチュラルな、起承転結の少ない云わばオフビートみたいに形容されるものはけっこうハマるのだが、何故か日本映画でそれっぽいものとなると異様に役者の演技、会話や描写の不自然感がノイズになってしまうことがある。同じ日本人故、そこに敏感になってしまっているということもあるのだろうか🔎
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