サプライズ

夜明けのすべてのサプライズのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.7
それでも夜明けはやってくる。

大好きな映画「ケイコ 目を澄ませて」の三宅唱監督の最新作。あの作品は耳の聞こえないボクサーを主人公にしているため、〈静〉の描写がすごく美しく感じたが、この作品ではどうももどかしい。正直、パニック障害やPMSについてあまり理解出来なかった気がした。タケシ映画のような、言葉数の少ない作品は個人的にかなり好みで、本作もかなり愛おしくはあったんだけど、テーマとしてはそれが仇になっているかなと。

16mmフィルムとオレンジがかった映像は言葉では表せない魅力がある。それでいて、上白石萌音と松村北斗の雰囲気も最高。現実はそう甘くないだろうけど、この映画の中ではホッと安心して息がつける。きっと誰かの拠り所になるんじゃないかな。周りが優しすぎるところに違和感はあるけど、居心地が良かったことは確か。点数低めにしたけど、映像作品としては4.5。気になるところはあれど、いい作品であることには違いないので是非。

2024-36
サプライズ

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