カタパルトスープレックス

夜明けのすべてのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.9
瀬尾まいこの同名小説を映画化した三宅唱監督のドラマ作品です。生きづらさの中で生きていくことを描いた作品です。

本作の主人公は二人。PSM(月経前症候群)で生理前にイライラが抑えられなくなる藤沢(上白石萌音)とパニック障害で元の会社に行けなくなった山添(松村北斗)。二人はプラネタリウムを作る栗田金属でリハビリ的に働かせてもらうことになるのだが……という話です。この他にも悲しみから抜け出せずにグリーフケアのグループに参加する人たちも。

前作『ケイコ目を澄ませて』(2022年)では自分の弱さに寄り添って、強かに生きる主人公を描きましたが、多くの人はそれほど強くない。でも、他の人を助けることはできる。

本作の登場人物たちは自分自身の生きづらさを抱えながら、他の人たちを支えようとします。寄り添い合ってる。でも、それは他人の弱さに共感ができるからなんだと思います。夜明け前が一番暗い。でも、暗いからこそ星が見える。