社長

夜明けのすべての社長のレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
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坂道のロケーションが、序盤の上白石萌音と遅れて下から来る松村北斗との距離感を際立てるところですでに良いのだけど、後半で彼が乗る自転車が下り坂をスムースに滑走していく、他の力を借りることによる身軽な運動と、上り坂や階段を上がる辛さの漂う運動の両者を、さらりと画面に定着させている。
2人の間に散髪シーンを境に立ち上がっていく、悪い冗談も交えた、あくまでもライトな互助関係が愛おしい。
夜の歩道橋を渡っていく2人の下を通る電車の光や、冒頭とは見違えて見えるような爽やかな雨粒。フィルムが記録した世界はおぼろげに美しくも、ケイコのときもそうだが、同時代を生きているようにこちらに感じさせる。
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