PMSに悩む藤沢さんとパニック障害に悩む山添君、この主演二人の雰囲気が凄く良かったからこそ恋愛関係に繋がるような描写を入れなかった所に好感が持てた。もちろん主演も良いけど、山添君の元上司役の渋川清彦に泣かされるとは思わなかった…
相手の抱えているものの大きさとか辛さを測るのではなくて、抱えているものを少し持つよという寄り添い方に涙が出た。また身近な人を亡くした喪失感や虚無感、親の介護、人はいつ誰の手を借りないといけないか当事者にならないと分からない。今は借りなくとも、今誰かを支える手はあるのではと考えさせられる。
私もPMSにずっと悩まされていて、藤沢さんと同じ状況の中タイプは違えど見ていて共感する所が死ぬほどあってそれだけでも少し心が楽になった。この映画には温かく見守られている優しさが常に存在して、はみ出しものを残さず受け入れてくれる安心感すらあった。あからさまな悪が一切出てこない優しい世界だから、現実とは違うかもしれない。けど全方位肯定という気概さえ感じたので、作品として一貫した包容力と説得力があったんだと思う。夜の街灯一つとっても温かみがあって、良いシーンだなーと観終わってからも思い出す。
この映画を観て一人でも救われる人がいますように。そして自分の居場所が見つかりますように。できればもう1回劇場で観たい。
