たかっし

夜明けのすべてのたかっしのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます


お互い違う種類のこころの病を抱えた男女が恋愛、友情を超えて支え合うこころ暖まる物語。
という大筋は間違ってない。

しかしこの映画にはもう1人の主役がいて、それが光石研演じる社長の早逝した弟である。
わずかな写真とカセットテープの音声でしか存在を確認できないのだが、残されたプラネタリウムの解説の彼の言葉が印象的だ。

皆を導く赤く輝く星。変わり続ける星。
夜明け前が1番暗いこと。
そして夜明けは必ずやってくること。
移動プラネタリウムの原稿を作る2人が彼の言葉に励まされ明日を見出し、こころをほぐしていく過程がこの作品の1番感動的なところだ。
演じるのは斎藤陽一郎氏。
早逝した青山真治監督の作品に数多く出演していた。
三宅唱監督の青山真治監督への愛と、遺志を引き継ぐ気概を感じた。

18ミリフィルムは陽光はより明るさが眩しく夜の闇はより深く感じた。
主役2人、特に松村北斗の微妙な感情の揺れの描き方が素晴らしかった。
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