ハンギョドンちゃんねる

夜明けのすべてのハンギョドンちゃんねるのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.0
キネマ旬報1位を獲得した『ケイコ 目を澄ませて』(22)の三宅唱監督最新作。
小市民の生きづらさや不器用さ、不安と孤独、そして希望を、日常の機微によって表現する三宅唱監督の手腕が本作でも遺憾なく発揮されていました。

上白石萌音と松村北斗は「どこにでもいる」ような雰囲気を自然体の演技でよく表現していたように思えます。
脇役も皆、違和感がなく、物語とは無関係な脇役の背景をさり気なく描くことで、「PMSやパニック障害の映画」という教育的な側面に傾向させないことに成功していました。
普通を「求められること」に苦しさを感じる人々を肯定も否定もせずにただ見つめる、その眼差しこそ本作の魅力ではないでしょうか。