寝木裕和

夜明けのすべての寝木裕和のレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
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夜明けのすべて、とは、

すべての、夜明けを待ち侘びる者たちの物語。

「夜の闇があるから、遥か遠くのものの存在も分かることができる。」

パニック障害や、PMS の症状は経験したことがないけれど、「私は夜の中にずっといたい。」と思ってしまう気持ち、分かるなあ。

けれども、誰のもとにも夜明けはやってくる。等しく。

昔の電燈って、実際に熱を放っていたから暖かくて。そのことを体が覚えてしまっているからか、あの灯りを見るだけでちょっと暖かくなるような気持ちがして。
この作品はそんなふうに、ちょっと暖かく、ちょっと優しい気持ちになれる。

山添くんが会社に忘れものを取りに行ったときに、

ぽっ 

 …っと、栗田社長が明かりをつけてくれたように。
寝木裕和

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