さくぞー

夜明けのすべてのさくぞーのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ようやく観れたが、噂に違わぬ傑作。ある種フィクションな優しい人ばかりの映画なのに、こんなにも胸を打つ。シブキヨが泣くとこで俺も泣いた。社長も辻本さんも悲しい事情があるが、それが同情をただ引くだけの舞台装置なだけにならず、主役2人との触れ合いを通し最後の山添くんのインタビュー「人は見かけによらないというか…」に集約されて救われる。むしろ、本作はパニック障害やPMSなど、名前の有無など関係なく、すべての人間に事情があり、必死に毎日を生きているということまで掬い取ってくれている。

自分は藤沢さんや山添くんのような診断をされたわけでも、社長や辻本さんのような出来事があったわけでもないが、こんな風に生きれたらと思わずにはいられない。当事者ではないすべての人の心に訴えかけられる作品だと思う。
冒頭は淡々とモノローグでPMSの描写が10分ほど続き、しんどさと映画としてのダルさがあり少し心配になったが吹き飛んだ。泣けるでも笑えるでもなく、笑顔になれる映画だ。

コメディシーンまでも面白い。が、それはキャスト陣が元々のコメディの面白さを200%に引き出している。散髪失敗シーンはあの2人の演技じゃなければあそこまで笑えないし、社長がヘルメット逆にかぶるのも光石研じゃないとあんなに自然で可愛くて面白い感じにならない。
2人が互いをイジるシーンとか、当事者だからできるジョークに俺は弱い。社長弟のトークスキルえぐい。
松村北斗が圧巻すぎる。まだ2024年が始まって3ヶ月も経ってないが、これが主演男優賞にノミネートされなかったら嘘だろう。ジャニヲタさん、なぜこっちは観に来ないんです?

映像:======A
脚本:=======S
編集:======A
俳優:=======S
人物:=======S
音楽:======A
音響:=====B
【MVP】山添孝俊
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