このレビューはネタバレを含みます
優しく包み込んで、映画全体に温かさが澄み渡って広がっている映画だった。
松村北斗と上白石萌音の両人のセンシティブな演技が見事にハマっていた。パニック障害は聞いたことはあるけど、PMSは恥ずかしながら初耳だった。現代的な内容で、どこか息苦しさを感じているが、この映画ではその息苦しさを少しでも和らげる不思議な力があるのかなと感じた。
まずは自分が大事だというのは大前提で、ハンデがありながらも、他人に寄り添う繋がりを持つことが個人主義的な現代にとって重要なことではないだろうか。そして、お二人の距離感もベッタリしすぎず、離れすぎずの丁度良い理想的な距離感がなるほどと思った。
緻密な設定や何気ない劇伴が素晴らしい世界観の構築を引き出しており、三宅監督の次回作が楽しみ。